対中貿易が黒字に

2004年8月25日
http://www.sankei.co.jp/news/040824/kei078.htm
対中貿易収支、初の黒字 電子、自動車部品の輸出で

 日本貿易振興機構(ジェトロ)は24日、2004年上半期(1−6月)の日中貿易調査をまとめ、香港経由の取引を含めた対中貿易収支(輸入ベース)は11億3541万ドルの黒字になったと発表した。半期ベースながら、統計のある1993年以来、黒字となったのは初めて。

 輸出は中国への日系企業の進出で半導体、液晶などの電子部品や自動車部品が好調だった。中国の経済成長に支えられ、鉄鋼、プラスチックといった原料や建設機械も増加した。前年同期は8億9614万ドルの赤字だった。
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対中国でも黒字が出るとはねぇ。昨年、日本の貿易黒字は過去最高を記録したそうですが、今年も更新するかもしれませんな。

対中貿易は2001年で153億ドルの赤字だったそうですから、ここ数年でずいぶん状況が変わってきたんですねぇ。中国市場が成熟してきたこともあり、日本の車や電気製品などが売れるようになってきたことも一因なんでしょう。

しかし記事中にもあるとおり、中国に進出した日本企業が現地で手に入らない部品を手に入れるため、日本から電子部品や半導体なんかを取り寄せていることが大きいようです。

中国では安い労働力を武器に、部品を外国から輸入して、組み立てを中国で行うことで安い電化製品などを世界に輸出しています。日本の電機業界もこうした中国・韓国製品に脅かされてきたわけですが、徐々に状況は改善されています。

組み立てを日本で行ったのでは安い中国製品に勝てないため、組み立ては中国などに移し、一方で日本では高度な技術を要する電子部品などを作る。部品を日本で作ることで、外国にその技術が流出しないようにするわけですね。シャープがわざわざ日本にどでかい工場を作ったのは、上記のように技術を「ブラックボックス化」し、技術の流出を防ぐためなんですね。

これはパソコン業界でインテル、マイクロソフトがぼろ儲けしているシステムと同じです。パソコンの基礎になる部品とソフトを作っているインテルとマイクロソフトは莫大な利益を上げてますが、それを組み立てて売る側にはほとんど利益が出ません。日本のNECやら東芝やらの利益もたいしたものではないそうです。ちなみに、パソコンを組み立てる側を「ハコ屋」なんぞと言うそうですが…。

これと近いことを日本も狙ってるわけです。電子部品などを日本で作り、安い労働力を持つ国が組み立てを行う。国際的な分業体制とでも言いましょうか。。。

今回の対中貿易の黒字化は、この新しいビジネスモデルが定着しつつあることを示しているように思います。中国が市場として拡大してきたのも事実なんですが、部品の輸出が主であることを考えるとそんな気がしてきます。

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