長すぎた…
2004年8月6日UFJの合併問題に、三井住友までもが参戦してきて泥仕合の様相を呈してきました。住友信託が絡んでいたとはいえ、いくらなんでもこの展開を予想できた人はいなかったのではないでしょうか。
新聞なんかも含め、ほとんどの人はUFJが住友信託と和解して、いくらかお金を払うという展開を予想していたんだと思います。それがまあ、住信が三井住友と結託して銀行を含めた合併に持ち込もうというんですから、大博打といっても言い過ぎではありません。
しかし、この展開は花王とカネボウとの合併未遂(?)とよく似ています。前に書いたときは、遺恨を残す合併ということで似ていると書きましたけど、もう一つ。
カネボウが内々に花王との化粧品部門の合併話を進めているとき、救済する立場にある花王側が比較的強気の立場に出て交渉をし、カネボウはある程度の条件はやむを得ず飲んできました。そのうち花王から、カネボウの化粧品部門の株を全て買収して、完全に化粧品部門を買収するという提案がなされました。
もともとはお互いが半分くらいの株式を持ち合うこで、カネボウ側も化粧品に多少の影響力を残せるような形で交渉が進められていたんですが、それでは指揮系統が乱れるとして花王は完全買収を条件として出してきました。
カネボウにとって絶対に譲れない点までを譲れといってきたわけで、カネボウの社員や一部の役員からは強い抵抗があったそうです。しかし決算期が近く、大幅な赤字を出すわけにはいかないカネボウはやむなく条件を飲み、化粧品部門を完全に売り渡すことを決めたのです。
このころから、花王とカネボウとの合併話が徐々に外へと漏れ始め、ついには新聞にまで載ってしまいます。一部にはカネボウの合併反対派役員がリークしたとも言われていますが…。
それはともかく、情報が漏れてからは外資系ファンドなどからも交渉が持ちかけられ、様々な条件が出されるようになりました。そして結果的には、産業再生機構がカネボウの再生に乗り出すことになります。当初の予定よりも化粧品部門は安く見積もられてはしまいましたが、それでもカネボウ側は化粧品部門を完全に手放すことをしなくて済んだわけです。
…やけに長くなってしまいましたが、合併話が世間に知られるようになってから他の企業が参戦してくるという展開はまさに今回と同じです。そしてこのことは、救済される立場にあるカネボウ、UFJにとってプラスに作用している点も同じです。
カネボウは完全な化粧品部門の放出を食い止めることができましたし、UFJも早い段階での増資を得られることになりそうです。もともと、三菱東京はUFJがある程度の不良債権を片付けてくれたら増資に応じ、合併は財務状態がよくなってから行うというスタンスでした。
そこに三井住友が登場して、合併をOKすればすぐに増資に応じるといってきました。三菱東京はUFJを渡すわけには行きませんから、今ではより早い段階での増資を検討し始めています。
UFJにはいろいろ事情があって、早く増資を受けないと自己資本比率が8パーセント未満となり、規定によって国際業務ができなくなってしまうという事情があるんですね。このことがネックになって交渉では弱気にならざるを得なかったのでしょうが、三井住友が現れたおかげで堂々と合併交渉を進めることができるようになったのではないでしょうか。これは決算で大幅な赤字を出すわけにはいかず、弱気の交渉を強いられたカネボウの状況と似ている気がします。
やけに長くなりましたが、そんなこんなで最終的に救済される側が得をしている点でカネボウとUFJの立場はよく似ている気がします。合併交渉ってのはどうしても内々に行われる感がありますが、この際もっとオープンにしてもいいんじゃないっすかね?そうすりゃ弱みを握られて、合併される側が不当な条件を飲む必要がなくなります。
それに、交渉がオープンになればよりその企業を必要としている企業が参戦してきますから、経済合理性の面からもプラスになる気がします。今回は三井住友の参戦があまりにも遅れてしまったために泥仕合のような形になってしまいましたが、初めからオープンにしておけばUFJはより有利に交渉を展開できたのではないかと思います。
新聞なんかも含め、ほとんどの人はUFJが住友信託と和解して、いくらかお金を払うという展開を予想していたんだと思います。それがまあ、住信が三井住友と結託して銀行を含めた合併に持ち込もうというんですから、大博打といっても言い過ぎではありません。
しかし、この展開は花王とカネボウとの合併未遂(?)とよく似ています。前に書いたときは、遺恨を残す合併ということで似ていると書きましたけど、もう一つ。
カネボウが内々に花王との化粧品部門の合併話を進めているとき、救済する立場にある花王側が比較的強気の立場に出て交渉をし、カネボウはある程度の条件はやむを得ず飲んできました。そのうち花王から、カネボウの化粧品部門の株を全て買収して、完全に化粧品部門を買収するという提案がなされました。
もともとはお互いが半分くらいの株式を持ち合うこで、カネボウ側も化粧品に多少の影響力を残せるような形で交渉が進められていたんですが、それでは指揮系統が乱れるとして花王は完全買収を条件として出してきました。
カネボウにとって絶対に譲れない点までを譲れといってきたわけで、カネボウの社員や一部の役員からは強い抵抗があったそうです。しかし決算期が近く、大幅な赤字を出すわけにはいかないカネボウはやむなく条件を飲み、化粧品部門を完全に売り渡すことを決めたのです。
このころから、花王とカネボウとの合併話が徐々に外へと漏れ始め、ついには新聞にまで載ってしまいます。一部にはカネボウの合併反対派役員がリークしたとも言われていますが…。
それはともかく、情報が漏れてからは外資系ファンドなどからも交渉が持ちかけられ、様々な条件が出されるようになりました。そして結果的には、産業再生機構がカネボウの再生に乗り出すことになります。当初の予定よりも化粧品部門は安く見積もられてはしまいましたが、それでもカネボウ側は化粧品部門を完全に手放すことをしなくて済んだわけです。
…やけに長くなってしまいましたが、合併話が世間に知られるようになってから他の企業が参戦してくるという展開はまさに今回と同じです。そしてこのことは、救済される立場にあるカネボウ、UFJにとってプラスに作用している点も同じです。
カネボウは完全な化粧品部門の放出を食い止めることができましたし、UFJも早い段階での増資を得られることになりそうです。もともと、三菱東京はUFJがある程度の不良債権を片付けてくれたら増資に応じ、合併は財務状態がよくなってから行うというスタンスでした。
そこに三井住友が登場して、合併をOKすればすぐに増資に応じるといってきました。三菱東京はUFJを渡すわけには行きませんから、今ではより早い段階での増資を検討し始めています。
UFJにはいろいろ事情があって、早く増資を受けないと自己資本比率が8パーセント未満となり、規定によって国際業務ができなくなってしまうという事情があるんですね。このことがネックになって交渉では弱気にならざるを得なかったのでしょうが、三井住友が現れたおかげで堂々と合併交渉を進めることができるようになったのではないでしょうか。これは決算で大幅な赤字を出すわけにはいかず、弱気の交渉を強いられたカネボウの状況と似ている気がします。
やけに長くなりましたが、そんなこんなで最終的に救済される側が得をしている点でカネボウとUFJの立場はよく似ている気がします。合併交渉ってのはどうしても内々に行われる感がありますが、この際もっとオープンにしてもいいんじゃないっすかね?そうすりゃ弱みを握られて、合併される側が不当な条件を飲む必要がなくなります。
それに、交渉がオープンになればよりその企業を必要としている企業が参戦してきますから、経済合理性の面からもプラスになる気がします。今回は三井住友の参戦があまりにも遅れてしまったために泥仕合のような形になってしまいましたが、初めからオープンにしておけばUFJはより有利に交渉を展開できたのではないかと思います。
コメント