カナダのアルバータなる州の畜産組合が、自主的に全頭検査を実施して日本への牛肉輸出を再開したいとの意向を示しているそうです。アメリカでもカンザス州の業者が、自主的に全頭検査をすると言ったのですが、アメリカ政府が拒否したということがありました。

自主的な全頭検査が認められるのであれば、日本へ牛肉を輸出したい業者が次々と検査を実施し、結果的には全頭検査が既成事実化してしまいます。だからアメリカ政府が認めるはずもなく、カナダでもおそらく認められないのではないでしょうか。

日本で畜産業を営む人びとにとっては、全頭検査をしていないアメリカの安い牛肉が入ってくれば、不公平感を感じるのは当然ですよね。アメリカ牛はただでさえ安いのに、全頭検査のコストが不要となればさらに値段に差がついてしまいますから。日本で全頭検査が続けられる限りは、政府はアメリカに対しても全頭検査を求めざるを得ないでしょう。

しかしこうした不公平は、牛肉以外でもあるのではないでしょうか。日本の安全基準を満たしていないがために、かなり安価で輸入されているものもあるのではないかなと。中国産の冷凍ほうれん草から大量の農薬が検出されたこともありましたが、どのような方法で安全基準を満たしているのかを検査しているのか。その手法がいい加減でコストがかからないからこそ、安く輸出することができるということもあるかもしれないと思うのです。

日本の食料自給率は4割以下で、たいていのものを輸入でまかなっています。つまり、「食の安全」を考える上で重要なのは、国内のものよりも海外の食品ということになります。海外から来る食品をいかに安全に保つのか、それを考える必要があるわけです。そのためには輸入先の政府に、より厳しい基準で安全性をチェックするよう要請することも必要かもしれません。

そうすることで、安全基準を守るためにかかるコスト、という面で不公平感もなくなるでしょうしね。全頭検査が過剰なのか否かはわかりませんが、強い姿勢で輸入先の政府に立ち向かう姿勢は今後も必要になりそうです。

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