いやぁ、驚いた。花王に売却されるはずだったカネボウの化粧品事業が、産業再生機構に売られることになりました。細かい所で合意に至らなかったとカネボウ側は言っていますが、花王からすればたまったものではないでしょうね。

一方、カネボウ側にとっては相当いい話だったのではないでしょうか。カネボウは3月期の決算までに化粧品事業の売却の話をまとめなければ、借金が圧縮できないまま決算を迎えることになり、メインバンクの三井住友銀行からも見捨てられる恐れがありました。そのため、急いで売却の話を進めていたのですが、花王はそこをつく形で強気の交渉に臨んでいたようです。

もともとは花王とカネボウが共同出資して、化粧品の新会社を作るという案でした。それがカネボウの花王への売却話に変化した辺りからも、明らかに花王が主導権を握っていたことがわかります。

しかし、カネボウの化粧品事業に興味を示したのは花王だけでありませんでした。外資系のファンドも興味を指名していましたし、産業再生機構は事前にカネボウの再建案を作成していました。

花王の誤算はここにあったのでしょう。3月までに残された時間が無く、焦っているカネボウには強気で交渉を進められると踏んだのでしょうが、結局は産業再生機構にかっさらわれる結果になったわけですね。

カネボウ社長の帆足氏は会見で、産業再生機構に売却することで「花王以上の譲渡金が期待できる」と発言しています。実際の売却額はまだ未定ですが、その値段を見ることで花王の交渉姿勢がどれだけ強気だったかがわかると思います。

ちなみに、カネボウは化粧品事業の全株式を売却するわけではなく、50パーセント以上を売却するということです。

しかし素人考えではありますが、再生機構に売られるべきは化粧品事業でなく、カネボウ本体じゃねぇかと思ってしまいます…。

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